エロゲにおける処女性@『この青空に約束を―』

 随分長いこと積んであった『この青空に約束を―』(戯画)をプレイ中。語り口も軽快だし面白い。終わったらESにレビュー書くつもり。
 ところで、作中にちょっとドキっとした描写があった。以下ネタを割るので畳んでおく。
 奈緒子ルートで、主人公が入学直前の生徒会長さんとのせっくる以降、複数の観光客女性とも関係を持っていた、という描写があったのを読んだ時、ドキッとした(恋じゃないよ)。いや、その時主人公は言わば「フリー」の状態にあったわけで、観光客のねーちゃんたちとコトに及ぶ事自体に問題はない。
 ただ、例えば逆に奈緒子が観光客のおにーちゃんたち相手にアバンチュールを楽しんでいたとしたら、大問題というか祭になっていたんじゃないかな、と。勿論生徒会長さんはそんなことはしてない(よね? 見落としてはいない筈)。
 俺は「ヒロインは処女でなければならない」とかそういう思想は持っていない。余りにも理不尽な「非処女」だったらイヤだけどね。同じように、「然るべき(不自然でない)理由があったとしてもヒロインは主人公以外の男性を関係を持ってはならない」とかそういう思想も持っていない。ただまぁ、そういったことを考える人達の想いも分からないではない。
 ここで俺がドキッとしたのは、言ってみれば(童貞というよりも)「主人公の処女性」についてである。俗に言う「処女厨」的思想が良いか悪いかはここでは置く。仮に処女スキーでなかったとしても、恐らくかなり多くの人達が程度の差こそあれ少なからず求めるであろう「処女」というステータスは、主人公のパラメータ項目には無いのか、と思ったわけである。言い換えれば、「ヒロインに振られた後、観光客の女の子をナンパして美味しくいただく主人公」にプレイヤは感情移入出来るのか、と。
 まぁストーリー上の整合性というか必然性はあるし、「幼い恋愛からの成長と成就」みたいな雰囲気にそぐう展開だし、それがダメだーってんじゃないですよ(ちょっと引っかかったけどね)。
 ただ、エロゲーにおいて「処女性」の有無の重要性が(しばしばメーカーHPのキャラクター紹介に明記されるほど)かなり高いものである一方で、プレイヤーの分身たる主人公の「処女性」は、どの程度考慮されるもんなのかなーと思ったのである。べ、べつに俺が海でナンパするヤリチンになんか感情移入できねえよ! って思わずルサンチマンを抱いたわけじゃないんだからねっ!