全俺が選ぶ、2007エロゲーアワード。発表。

 対象作品は、俺がプレイした2007年発売のエロゲ作品全てです。選考基準は俺。審査員は俺、俺、俺(以下略)多数の俺が努めました。なお、司会進行も俺です。受賞作品には、俺から感謝の気持ちが贈られます。

 まずは、最優秀同人賞の発表です。
●再優秀同人賞
『アユマリン707R Mission:02 前編』(らいどないん

 前作『Bad Name』よりもシンプルな物語構成ながら、高い筆力からくるねちっこい心理描写は圧巻の一言。高いコストパフォーマンスで文句なしの受賞となりました。「厚み」の足りなさを筆力で補うという、ある意味低価格の理想型なのかも。

 続いて、最萌えキャラクター賞。
●最萌えキャラクター賞
長瀬湊『あかね色に染まる坂』(feng

 まさか、萌えキャラクターグッズを買うことになるとは、俺自身にビックリ。丁寧語、ポニー、控えめな甘えっぷりと、俺のツボを強烈に刺激されて呆気なく陥落。

 さて、それでは作品賞のほうに移りたいと思います。10位から順に見ていきます。

10位『Dies irae -Also sprach Zarathustra-』(light
 ESレビューはこちら。色々と物議を醸し出すことになってしまった本作品だが、一応プレイ中楽しめたのも事実である。

9位『娘姉妹』(RUNE) 
 ESレビューはこちら。ある意味最狂の一本。パワーを上げていくほど、背徳感からずれていくのが残念だったが。

8位『つくとり』(ruf
 ESレビューはこちら。売れセンからは遠く離れたサスペンスだが、間違いなく良作である。実際どのくらい売れたんだろうか。

7位『あかね色に染まる坂』(feng
 物語としては、お家騒動やらスパイやらのシリアスなトーンと恋愛パートのトーンが明らかにかみ合ってなくて苦しいのだが、湊可愛いんだもの(笑)。一旦身を引こうとするのも良かった。エロもそれなりにあったし。

6位『そして明日の世界より―― 』(etude)
ESレビューはこちら。終末の世界を舞台にしながら、重々しい悲劇ではないのが印象的だった。

5位『車輪の国、悠久の少年少女』(あかべぇそふとつぅ
 本編を意識させながら進む法月編が秀逸。ファンディスクという形態がそのソリッドさを強調させていた感も。綺麗な中編だった。

4位『Bullet Butlers』(Propeller
 ESレビューはこちら。『あやかしびと』の破天荒さに比べると、良くも悪くも落ち着いた印象。

3位『淫烙の巫女』(Nomad
 ESレビューはこちらNomad覚醒。今年一番お世話になったのはこれかも。

2位『世界でいちばんNGな恋』(HERMIT
 ESレビューはこちら。余談だけど、改めてみると、主人公の顔はちょっとアレかもな(笑)。

 
 どの作品もとっても楽しませてもらいました。ありがとうございます。
 さてそれでは、最優秀作品賞、栄えある第一位の発表です。ドラムロール略


1位『いつか、届く、あの空に。』(Lump of Sugar)
 ESレビューはこちら。文句なしの第一位。ガツンときた物語だったし、その演出も素晴らしかった。

 

 最後に少し総評をば。
 たくさんの良作エロゲーをプレイすることが出来て、2007年も幸せでした。ただ、ガツンとくるものが物語、エロともにそれほど多くなかったのも印象としては正直なところです。
 特にエロに関しては、『借金姉妹』や『乳姫大祭』といった次点にあげたい良作は幾つかあったものの、繰り返し何度も使うような、プレイ中にwktkするほど興奮した作品は『淫烙の巫女』一本(あとは同人の『アユマリン』)だけだったかなあ、と。傾向として、どうも露悪的、即物的なものが増えたとも思います。抜きゲーの停滞を卑語でブレイクスルーした『姫騎士アンジェリカ』自体は高い評価を受けていますが、個人的にはそうした即物的な卑語路線には少し疑問を感じています。ヒロインがどんな卑語を叫んでいるかだけでなく、どのような過程を経てそのような卑語を発するに至ったかも同じくらい重要だと思うからです。何の思い入れも無いアバズレが唐突に叫んでもなーと個人的には思ってしまいます。
 後は、「主人公受」のシチュエーションもわりと浸透してきた感がありますが、その流れで「女性視点」を期待していた俺にとっては、なかなか出てきてくれないのでがっかりといったところです。
 2008年は、キャラクター及びシナリオが整備された、心の動きを、エロくなっていく過程をきちんと追ってくれる、感情移入の出来る抜きゲーや、女性視点のねちっこい陵辱抜きゲーに期待したいところであります。はい。
 何はともあれ、2008年もよろしくお願いします。